注文住宅で家を建てる!

土地探しから、ハウスメーカー選び、間取りなど…いろいろ、家を建てるまでの軌跡


屋根材は何にする…⁉︎ その違いは…⁉︎

屋根材は何にする?

外壁材の次は、屋根材だ。屋根材も外壁材同様に、その材質により品質やコストが様々な為、慎重にセレクトしたい。外壁材ほどはバリエーションも無い為、方針さえ決まれば、比較的早く決まるだろう…。最近では太陽光パネルを載せることを考えデザイン上の親和性も重要なポイントだ。まずは、その選択肢を見ていきたい…

 

代表的な屋根材は?

一般的には、以下が代表的な屋根材だろう。

  • スレート
  • 日本瓦
  • セメント瓦
  • ガルマリウム鋼板

トタン屋根なども候補にはありますが、今時選ぶ人も減っているかと思いますので、以上の4つが大体の候補となることでしょう…

 

それそれの特徴をそれぞれ述べていきます。

 

スレート

スレートとは、本来、粘板岩を薄く加工した板を指します。粘板岩を材料とするのが「天然スレート」と呼ばれるのに対して、セメントと人工繊維や天然繊維を材料にして薄く加工後、着色塗装したものが「化粧スレート」と呼ばれています。以前は、セメントと石綿(アスベスト)を材料とした「石綿スレート」が主流でしたが、現在は健康問題のため、製造されておらず、その姿は消えつつあります。今ではスレートと言えば、石綿(アスベスト)を含まない「化粧スレート」を指します。天然スレートは高価なため、化粧スレートが一般的です。日本瓦などと比べて軽くて、ある程度耐久性もあるため、多くの住宅の屋根材として使用されています。ちなみによく耳にするカラーベストやコロニアルは、この化粧スレートであり、日本の家屋の約8割をこのスレートが占めているとも言われます。建売住宅の多くはスレートを使われていると思った方がいいでしょう。そのスレートの特徴はというと…

 

① 軽量で安価

日本瓦に比べて軽量の為、住宅の耐震性が低下しにくく、トタン屋根よりも耐久性があります。また、温暖差による収縮も少なく、比較的安価であることがスレート屋根材の大きな特徴と言えます。

 

② 色合いが豊富

色合いもバリエーションが豊富にあり、お好みの色を選ぶことができるので、色にこだわりがある方には打ってつけの屋根材です。デザインもスッキリとしていて軽快感があり、人気の屋根材と言えます。

 

③ メンテナンスが必要

しかし、一方でメンテナンスには手間とコストが掛かります。特にスレートは塗装によって、その機能が保たれていますので、定期的な塗装が必須となります。

 

f:id:nue0801:20170823080847j:image

 

日本瓦

日本瓦は、古くから日本家屋に使用されていて、粘土を使った焼きものの屋根材です。その製造工程の違いで、表面に釉薬が塗られているのが釉薬瓦(ゆうやくがわら)、塗られていないのが無釉瓦(むゆうがわら)に大きく2つに分けられます。

 

A. 釉薬瓦(ゆうやくがわら)

陶器瓦ともいわれ、瓦形の粘土に釉薬をかけて、窯の中で焼き上げた瓦のことです。表面が釉薬でガラス状になっているので、雨水が浸み込まず、非常に耐久性が高い瓦です。そのため、瓦自体はメンテナンスフリーです。釉薬で表面を覆うので、色も豊富に選べます。形は、粘土を成型するので、屋根の形状、デザイン、好みに合わせられます。近年では、和風住宅だけでなく洋風住宅でも多く用いられるようになりました…

 

f:id:nue0801:20170823080905j:image

 

B. 無釉瓦(むゆうがわら)

無釉瓦は、釉薬をかけず、成形した粘土をそのまま、窯の中で焼き上げた瓦のことです。代表的な無釉瓦には、いぶし瓦と素焼き瓦があります。

 

<いぶし瓦>

いぶし瓦は、釉薬をかけずに焼き、松材・松葉でいぶすことから、いぶし瓦と呼ばれています。瓦全体が深い銀色の瓦です。釉薬瓦に比べ、その耐久性は低下しますが、デザインや風合いが和風住宅の屋根にピッタリなため、純日本建築の建物や本格的な和風住宅の屋根に多く使用されています…

 

f:id:nue0801:20170823080919j:image

 

<素焼き瓦>

素焼き瓦は、釉薬やいぶしも施さず、自然の色合いが特徴の瓦です。焼くときに酸化現象のため赤系になるので、赤瓦とも呼ばれています。明るい色合いなので、洋風住宅によく似合います。代表的な素焼き瓦は、スペイン瓦が有名です。

 

f:id:nue0801:20170823080937j:image

 

で、日本瓦の特徴はというと、ここでは主な3つの日本瓦の特徴をお伝えします…

 

① 重量があります。

日本瓦は、粘土を成型して焼いた瓦です。そのため、他の屋根材より重量が重くなりますので、住宅の耐震性にも考慮して日本瓦を慎重に選ぶ必要があると言われています。一部の建築家からは、住宅の基礎や主要構造が法律通りに作られていれば、重量のある日本瓦でも、耐震性が損なわれることはないとも言われています。

 

② 耐久性がいい。

一方、日本瓦は、断熱性や遮音性に優れ、瓦自体は半永久的に使うことのできます。また、表面は耐久性が高く、色合いも半永久的にメンテナンスが不要です。ただ、瓦自体にメンテナンスが必要ないものの、漆喰部分には、やはりメンテナンスが必要になります。

 

③ 修理費用が高い。

それと、一度何らかの理由で修理が必要になると、比較的にその修理費用が高いと言えますので、日本瓦を選ぶ際は、そのことも十分に考慮するといいでしょう。

 

セメント瓦

セメント瓦とは、セメントと砂などの骨材をある一定の割合で混ぜたモルタルをプレス・脱水・成形し、塗料で着色した瓦です。型に押し込む日本瓦と比べて、材質が均一なので、形がほぼ同一なります。そのため屋根にセメント瓦を並べた際は、仕上がりが美しくなります。製造方法の違いで厚形スレートまたはコンクリート瓦と呼ばれることもあります…

 

A. 厚形スレート

厚形スレートとは、上記のようにセメントと砂を混ぜて製造されるがその割合は3対1のモルタルで作られています。スレートと比較して瓦が厚いので厚形スレートと呼ばれていると言われます。また、厚形スレートの表面を釉薬処理したものを施釉(せゆう)セメント瓦といいます。厚形スレートの形状には、様々の種類がありますが、最近は住宅の洋風化にともない、洋瓦型や平型がほとんどです。日本瓦型の厚形スレートは、ほとんど製造されていません。

 

f:id:nue0801:20170823080953j:image

 

B. コンクリート瓦(モニエル瓦)

コンクリート瓦は、厚形スレートと同じ材料で構成されますが、厚形スレートよりセメント量が少ない2対1の硬いモルタルで製造されています。オーストラリアのモニエル社と共同開発を行い、その後日本に導入されたので、モニエル瓦とも呼ばれています。その形は、洋瓦型と平瓦型があります。最近では、モルタルそのものに着色する方法なども開発され、色褪せ保証を銘打ったコンクリート瓦も販売されています。

 

f:id:nue0801:20170823081006j:image

 

セメント瓦の特徴としては…以下2つのことが言えると思います。

 

① 強度が低い。

厚形スレートとはいえ、はやり板状のセメント瓦なので、地震の際は割れてしまうことが多いです。さらに塗装劣化などが進むと、元々割れやすいセメント瓦が劣化によって、突風などの僅かな振動でもさらに割れるようになってしまいます。

 

② 再塗装が必要

また、太陽光・風雨・気温差等で塗料の劣化が進むとセメント部分がむき出しになり、セメント自体の劣化も早くなります。塗料が劣化することで、セメント瓦への雨水の浸みこみが進みます。その結果、セメントの成分であるカルシウムが流出してしまう為、セメント瓦の表面に砂が突出します。1度カルシウム流出まで劣化したら、塗装をしても回復するわけではないので、セメント瓦が色褪せてきた時点で、早期に塗装修理する必要があります。

 

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、アルミと亜鉛とシリコンで鉄板を両面から加工した鋼板です。1972年にアメリカで開発された新しい金属素材です。特徴としては…

 

① 耐食性が優れている。

仮にメッキ部分が傷ついても、ガルバリウム鋼板に含まれている亜鉛が、鋼板より先に錆び始め、表面を覆い、鋼板が錆びることを防ぎます。この仕組みで大変 耐食性に優れています。

 

② 耐熱性が高い。

ガルバリウム鋼板の色は元々銀色で、熱をよく反射します。そして耐熱性があるアルミの含有量が約55%と非常に高いです。この2つの効果で非常に耐熱性が高くなります。

 

③ 加工が容易

トタン屋根と同様に薄い鋼板なので、加工がしやすく、様々な形にすることが可能です。近年では、見た目がスレートや日本瓦にそっくりなものもあります。また近未来的なデザインも選ぶことは可能です。その優れた性能を生かして、近年ではガルバリウム鋼板は屋根材としても注目されはじめました。でもはやり、金属特有の雨音などの防音性や室内温度が上昇する断熱性には、大きなデメリットがありました。

 

④ デメリットの克服

しかし、そのデメリットも今では新しい施工方法と石粒付ガルバリウム金属屋根材で克服されているようです。効果的な屋根の防音・断熱方法は、屋根の下地材との接地面を少なくする方法です。屋根材と野地板との空間を十分に取った屋根施工方法の選択が重要なのです。また、表面の石粒は、雨粒を拡散させ金属特有の雨音を抑える働きがあります。また反射熱や音に対しても普通の金属屋根材と比べても抜群の性能を発揮します。トタン屋根材とは対照的に、近年ではこのガルバリウム鋼板屋根材を選ぶ方が急増中です。

 

f:id:nue0801:20170823081029j:image

 

どう判断するのか?

で、上記の屋根材候補からどのように選択、判断していくのかである…。判断軸としては、以下の項目が挙げられるであろう…

 

  • 強さ 
  • 寿命年数
  • 重さ
  • デザイン
  • メンテナンス

 

ざっと、比較するとこんな感じ…↓

 

f:id:nue0801:20160828164331p:plain

 

メンテナンスについてはこんな感じ…↓

f:id:nue0801:20160828164346p:plain

 

で、我が家が何を選んだのか?

ふまえて、我が家はどの屋根材を選んだかというと…積水ハウスが提供している、太陽光パネル一体型の瓦を選びました!

 

我が家が重視するのは、

  • 初期費がかかったとしても、トータルコストで考えること
  • 積水ハウスが言うには、メンテナンスフリーであること
  • 太陽光パネルと一体的に綺麗に見えるデザインであること

を、重視し「瓦」という選択を取りました。分類で言うと「日本瓦」であり、いわゆる焼き物の瓦ですが、デザインはどちらかというと今時風でもあります。少し値は張るものの、メンテナンスが要らず、今後足場代もかからないのは大きい…。外壁もそうだが、我が家はトータルコストとデザイン重視なのだ…

 

f:id:nue0801:20170823081046j:image

 

さて、次は内装だ…

 

<推薦図書>

一流建築家和風住宅作品や地域の工務店・設計士がつくる和風住宅作品では、たくさんの事例を紹介。
和風住宅の知識…外部仕上げや各部屋の仕上げ、材料の使い方にいたるまで、写真を見せながら丁寧に解説している1冊です。

書籍名:和風住宅vol.21